第一の特徴に挙げられるのが、地盤度数の配置と、天盤度数の両方が必要なことです。
古書曰くとし、清代の風水師・張九儀の地理四弾子からの引用文もあります。
順序として、1、必要要素の度数、2、必要項目、3、度数、4、地理四弾子の引用文、5、象意の順序で展開します。
手順や表が大変多いかと思いますが、日本では公開されていない点や、古典籍を引用しての理論展開等から信頼性が高いと判断致しました。
表1：坐山と地盤度数一覧
| 坐山と宮位 | 二十四山 | 度数 |
| 坎宮 | 壬・子・癸 | 337，6〜22，5 |
| 艮宮 | 丑・艮・寅 | 22，6〜67，5 |
| 震宮 | 甲・卯・乙 | 67，6〜112，5 |
| 巽宮 | 辰・巽・巳 | 112，6〜157，5 |
| 離宮 | 丙・午・丁 | 157，6〜202，5 |
| 坤宮 | 未・坤・申 | 202，6〜247，5 |
| 兌宮 | 庚・酉・辛 | 247，6〜292，5 |
| 乾宮 | 戌・乾・亥 | 292，5〜337，5 |
表2：天盤度数一覧
| 天盤名 | 度数 |
| 壬 | 345〜0 |
| 子 | 360(0)〜15 |
| 癸 | 15〜30 |
| 丑 | 30〜45 |
| 艮 | 45〜60 |
| 寅 | 60〜75 |
| 甲 | 75〜90 |
| 卯 | 90〜105 |
| 乙 | 105〜120 |
| 辰 | 120〜135 |
| 巽 | 135〜150 |
| 巳 | 150〜165 |
| 丙 | 165〜180 |
| 午 | 180〜195 |
| 丁 | 195〜210 |
| 未 | 210〜225 |
| 坤 | 225〜240 |
| 申 | 240〜255 |
| 庚 | 255〜270 |
| 酉 | 270〜285 |
| 辛 | 285〜300 |
| 戌 | 300〜315 |
| 乾 | 315〜330 |
| 亥 | 330〜345 |
表3：三曜殺一覧表
以下の表には、地盤度数に基づく為、この水法には、成敗観念(成功と失敗と財運双方が評価されている)が反映されており、地盤と陽宅の坐山度数が問題となることは以下の表より明らかです。
| 坐山 | 正曜殺 | 地曜殺 | 天曜殺 |
| 坎 | 辰 | 卯 | 巳 |
| 艮 | 卯 | 酉 | 辰 |
| 震 | 申 | 亥 | 寅 |
| 巽 | 酉 | 巳 | 卯 |
| 乾 | 午 | 寅 | 亥 |
| 兌 | 巳 | 辰 | 酉 |
| 坤 | 卯 | 酉 | 辰 |
| 艮 | 寅 | 申 | 午 |
| 離 | 亥 | 午 | 申 |
用語解説
正曜殺：坐山が基準の八殺、よって、陽宅の坐山方位の45度から求めます。
地曜殺：先天八卦の八殺、これは、坐山方位と先天八卦の相関関係に関する八殺で、2つが元になる八殺です。
天曜殺：後天八卦の八殺、これは、坐山方位と後天八卦の相関関係に関する八殺です。
大変表の多い水法であることがお分かり頂けたかと思います。
さて、清代の著名な風水師・張九儀の地理四弾子の詩訣を引用します。
原文で訳文の順序にします。
張九義：坎龍坤兔、震山猴、巽鶏乾馬、兌蛇頭、艮虎離猪為八殺、宅墓逢之一斉休。
詩訣訳文：坎(北)は辰方、坤(南西)は卯方、震(東)は申方、巽(南東)は酉方、乾(北西)は午方、兌(西)は巳方、艮(北東)は寅方、離(南)は亥方、これらに当たれば、陽宅と陰宅は生気を失い一旦休みとなります。
さて、参考書籍のミス等もあり、少々時間がかかりましたが、簡単に訳すと、上記の文章になります。
それでは、八殺の解釈に加え評価基準がそれぞれあるので、順次解説致します。
まず第一に、気の解釈をまとめて表にします。
表4：三曜殺の解釈と表
| 地盤 | 吉凶解釈 |
| 格龍 | 成敗(成功と失敗) |
| 気の解釈 | 地下から地表への影響 |
| 天盤 | 吉凶解釈 |
| 納水 | 物事の進展による財運 |
| 気の解釈 | 表面の気の追跡 |
以上の表でわかるかと思いますが、気の解釈は、日本と中国の間でも大きく問題になりますが、それ以上に三才の作用を理解できず、何故表が多いかはこの表の中にこの水法の表を看ればお分かりかと思います。
そして、次に、気の動きと変動の要素、つまり、屋内と屋外の配置吉凶を書きます。
さて、気の影響を考慮すると、配置されている家電製品等の位置の問題も当然出てきます。
水法は道路や河川・線路等の位置だけを問題にするのではなく、この水法の特徴として、「気の解釈」に加えて、「振動や音が出る物」という観点を入れて、室内の判定をしていきます。
八殺位置として好ましくないものの例としては、生気を得ること、受け取ることを目的とするので、代表的なものとしては、以下のものです。
1、玄関
2、門位
3、門向
5、PC・印刷機・電話
6、ラジカセ・TV・オーディオ
7、FAX・コピー機
上記は家電製品に基づく分類です。
それに加え、以下の者が対象になります。
現代の水として挙げられるのが、以下のものです。
1、道路
2、線路
上記のものは、八殺位置が好ましくないものです。
八殺位置に当たる場合、できるだけ使用しない、家電製品等移動可能なものは移動して対処する、という工夫が必要です。
それでは、三曜殺の凶意を解説したいと思います。
原文：由於曜殺起源「官鬼」是管束我、圧制我的凶神、現代用語彙「圧力」当心理圧力達到臨界点就引爆了深層心理上的崩潰(後略)。
訳文：曜殺の起源は「官鬼」にあり、「官鬼」は自身を拘束し、圧力で殺気となる、現代用語で「圧力」の表現となり、心理的圧力の意味があり、その限界を越えて心理的殺気を生み出す。
要するに「心理的殺」の一種です。
そして、さらに案劫殺・地劫殺、天劫殺があり、そしてそれを表5にしました。
表5：三曜殺と物体の分類
| 三曜殺と名称 | 意味と対象物 |
| 水劫 | 水冲・道路・T字路 現代の水全般 |
| 石劫 | 石碑・山・ビル・マンション 現代の山全般 |
| 軟劫 | 樹木全般 |
| 翹(きょう)星 | 煙突・鉄塔・電線 |
| その他 | 欄干、形殺全般、 汚物関連全般等、 人体に不快な各種 |
これらがあると、凶意が強まります。
そして、続けて、次の表の該当の凶の象意について解説致します。
表6：三曜殺位置と凶象一覧
| 物体 | 種類 | 象意 |
| 神社・仏閣・寺院廟 | 怪病 | 原因不明の体調異変等 |
| 現代の水 | 水塔 | 気管支・呼吸器の病気 |
| 円形の凶殺 | 車禍 | 乗り物・移動時の災難 |
1、地盤と天盤の両方が必要な水法。
2、気の解釈の問題を反映させた水法で、気の解釈に基づいて、「気が動く」「入る」「振動する」といった、地表と地下の両方の問題を扱う水法。
3、避凶色が強い水法で、避凶が叶えば自然に吉となる、と考える水法。
4、三曜殺は地盤で測定し、来水・去水は天盤が測定基準となる。
5、成敗面と財運面の両方が反映された水法。
6、家電製品は移動できない場合、できる限りその部屋では使用しない。
7、門位や門向も同じく、使用制限を設けるか、使用頻度を下げる。
参考文献：劉賁(著)乾坤国宝透析・進源書局